今のアメリカの株価は高すぎなのか?
アメリカ株は歴史的な高水準?
アメリカの株価が対GDP比で2000年以来の高水準になっているとい記事をみました。2000年ごろというとITバブルでNASDAQが高騰じていた頃になります。ITバブルがはじけた後、NASDAQは75%も下落しました。その2000年の同じくらいの水準に現在の株価は到達しており、「恐ろしさ」を感じるほどだとう内容です。
出典:
伝説的マクロトレーダーも警告、米国株は高過ぎて「恐ろしい」 - Bloomberg
出典の記事では、グラフも用意され、確かに2000年の頃と同じだなーとわかります。
しかし、この手のグラフはいつも、その記事の筆者が説明しやすいようにちょうどいいところまでしかデータを載せません。
ですので、今回はちょっと指標が変わってしまうのですが、超長期のPERのグラフから考えて見ることにしたいと思います。
アメリカ株の超長期PER
ここではシラーPERという指標で、まずは考えてみたいと思います。シラーPERは通常のPERと違い、インフレを考慮し、利益の10年移動平均を利用してPERを算出しています。
このグラフを見ると確かに現在のPERは2000年のITバブル期の同じとは言いませんが、かなりの高水準になっているように見えます。この水準だと1929年の世界恐慌直前並みの水準と言えます。
ただし、このシラーPERは直接的に売買タイミングの指標にはならないことに注意です。特に、たびたび会計基準が変わり、利益の算出方法が変わってしまうため、現在のシラーPERと過去のものを比較してもあまり意味がないということには注意が必要です。
では、結局アメリカ株は高すぎるのか?
このグラフから読み取れることは、現在、かなりの強気相場になっているということくらいだと思います。また、PERが右肩上がりの相場が一定期間続く場合もあるため、直ちに暴落するというほどの根拠にはならないように思われます。
バリュエーションの考え方からすると、長期的に強気の相場では、少しずつキャッシュや債権の比率を高めていく、というようなことになるのでしょうか?
もっとも、絶対値が高水準かどうかよりも、シラーPERが極端な勢いで上昇を始めると、バブルを警戒した方がいいという気もします。
結論的には、極端に楽観的な意見や、逆に悲観的な見方も世間にはあります。しかし、「いい企業の株価が比較的に安くなっていたら買う、いい物件がなかったら買わない」というようなバリュエーションの基本方針を守ることがベターなのかなーと思います。